「クタっとなってるのを、皿に叩きつけてビシッとさせるんだよ」
築地のマグロ仲卸業を営む生田氏による自分が好きな魚の食べ方を乗せたレシピだ。
魚に関するウンチクや築地の歴史、魚河岸の人々の生活と交えて解説してくれる。
その、レシピのダイナミックさたるや類をみない。
材料だけは書いてあるが、分量はない。
大ぶりに切る、好みの量をぶっかける、ちょいと火を通す、塩梅に気をつける・・・これしか書いてない。
生田氏は、レシピってなあなんだよ、自分の好みの味はねぇのかい?と問いかけてくる。
旬の魚を知っていても、自分で調理出来る人間はどのくらいいるのだろう?
この本は、私たちに大切なものを思い起こさせてくれる。
魚屋からスーパーを起こした私の祖父は、物質的に豊かな今より心豊かだったのではないだろうか?
そうだ!
あんた、まさか魚いじったことねぇの?
自分でいじってみなよ。
そここら見えてくるもの、感じるものがたくさんあるから。