筆者は、Googleでアジア・パシフィック地域における人材開発、グローバル人材の育成戦略策定に携わった人物。そして、日本を愛しており、禅の思想を持ち合わせたとても素敵な方である。(講演でも、流暢な日本語でお話される)
Googleの生み出す革新的なサービスの源泉、それはもちろん人材だ。どのような人材マネジメント思想で組織が動いているのかと興味を持って読み進めていった。
前書きでハッとしたのは、
『人生100年時代、働くことは生きることと限りなく重なり合っていきます。充実した人生を送るためには、一人ひとりが自分のワークスタイルを見直す必要があります』
という言葉だ。
働き方改革は生き方改革、そう、それはまさに、HIUのことである。
遊びながら働くことに必要なのは4ステップ。自己認識→自己開示→自己表現→自己実現。
マズローの欲求、最上階に到達するには、まず自分のことをよく知りなさいということだ。
少し恥ずかしいけれど、自分のことはチームの仲間にたくさん話した方がいい。そうすることで、自己理解が進むこともあるし、周囲も補完しあうことができる。
まるで、自宅のリビングにいる時のように、リラックスして働こう、と筆者は主張する。
ある朝突然、
『あなたの仕事はないよ』と言われたらどうしますか。
そんな問いが自己表現の章に登場する。
誰かに与えられる仕事ばかりしてきた人は、自分が提供できる価値が分からず、この問いに大きく戸惑うそうだ。
報酬が前提となる働き方ではなく、価値の提供を優先する働き方をしよう、そうすれば、あとから報酬がついてくる。そして、この問いに戸惑うこともなくなる。
ピョートル氏の行動も、7割はビジネスを創造するための時間であり、収益に直結する時間は3割。自分で事業を起こしている人には、とても勇気の出る言葉ではないだろうか。
誰かがあなたのために仕事を楽しくしてくれることはない。仕事を楽しくするのは、自分の責任だ。
遊ぶように働くのは、自分に向き合うことになるから、正直結構キツイなと思った。遊びと仕事を切り分けて考えた方が圧倒的に楽だと思う。
でも、そろそろ、日本人もOSを入れ替えて、労働は苦行みたいな考え方から脱却し、楽しく働いてみたらどうだろう。子どもたちには、楽しく働く大人になって欲しいと思わないだろうか。
これからの働き方に一石を投じる本。そして、読後は元気な気持ちになれる本だと思う。今の仕事に不安がある人は、ぜひ読んでみて欲しい。
PLAY WORK プレイ・ワーク 仕事の生産性がグングン高まる「遊びながら働く」方法
- 作者: ピョートル・フェリクス・グジバチ
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2019/07/24
- メディア: 単行本
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