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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】大企業で働く人に読んでほしい『No rules 世界一自由な会社、Netflix』

 

友人が読んで面白かったと言っていたので手に取った本。実はつい最近までhuluユーザーだったのだが、いよいよコンテンツに飽きてきたのでNetflixに変えてみたところ、観たい映画やドラマがたくさんあって感動している。方々からNetflixは凄いという噂は聞いていたので、ユーザーになったところで改めて何が凄いのか知りたくなったというのも動機である。

私も日本の典型的な大企業で働いているためか、休暇規定、経費の承認手続き、目標管理制度といったものに慣れ親しんでいた。しかし、その前提を根底から覆すのがNetflixである。休暇規定無し、経費の承認不要、目標管理無し。とにかく無い無い無い、まさにNo rulesなのである。「いやいや、経費精算の承認手続きなかったら使い込む奴出てくるでしょ」とか「休暇の上限ないとかどういうこと?」と、初っ端からグイッと心を掴まれてしまった。なぜそんなことが可能なのか。細かい話は本書に譲るが、どの考え方も「その行為はNetflixの利益につながるか」という問いが北極星のように光り、正解を指し示しているようだ。そしてこうした取り組みが成立する土台となるのが「真の意味で優秀な人材を集める」ということである。

経営や人事という観点から読んでも面白いのだが、私はプレイヤーとして考えさせられた。なぜルールを極端に無くしているかというと、クリエイティブな社員が最高のパフォーマンスを発揮してほしいからだ。逆に言えば、クリエイティビティが求められない仕事なら、きっちりルールで縛った方が安全安心なのである。私の仕事は研究職なので、クリエイティビティは最も重要な要素なのだが、会社のルールに従う内にいつの間にかルールに従うことを優先してしまっている自分に気がついた。これはヤバい。環境は恐ろしい。

というわけで、大企業で働く人には一度手に取っていただきたい。普段の当たり前を疑う機会になると思う。あと正直結構ページ数が多いので、個人的には章の終わりのまとめをざっと読んで気になるところを詳しく読むぐらいが丁度良いと思う。

当たり前を疑おう。