本作品は、25年前にアニメーションとして登場したが、今回は実写もアニメーションも超えた「超実写版」として映画の世界で生まれ変わった。景色やキャラクターなど、全編CGのため、現在のその技術を確認することも面白さの一つである。
評者にとって『ライオン・キング』と言えば、ミュージカルの印象が非常に強い。しかし、正直なところ鑑賞前は、どのようにして人が野生の動物たちを演じるのかが、とても気になっていたが、ストーリーが始まると、そのような疑問を一気に払拭させるほど、とても感動的であった。
本作では「超実写版」というだけに、アニメーションやミュージカルとは、また違った映像美を随所に確認することができる。特に、キャラクターの毛並みの流れがとても美しい。それぞれのキャラクターが動いた時の躍動感や、風になびくその様子は、まさに超リアルである。
そして、25年前から変わらぬテーマは「サークル・オブ・ライフ(生命の環)」だ。ストーリーでは、分かち合いや人との繋がり、人のためにできること、そして「生きる意味」についてのメッセージが込められている。命の繋がりにより、誰もが世界中の誰かを支え、すべての人には、この世に生きる意味があるというとても深い内容だ。
さらに、友情や愛情、序列、グループ間の対立、挫折等、サバンナの世界で生きるキャラクターを通しての、人生の縮図が描かれている。
ディズニーの作品は多数あるが、気に入った作品は、映画やミュージカル等で度々鑑賞している。ディズニーのストーリーの面白いところは、コミカルなキャラクターを通して、実際には人生での生きる術を伝えているところだ。そして、その本質を読み解くことにより得られる教えはとても興味深い。
まだストーリーを知らない人は、映画やミュージカル、または本からでも知っておくと、今後の人生に役立つことがきっと見つかるだろう。
- 作者: エリザベスルドニック,澁谷正子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2019/08/09
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る