周りに左右されることなく、自分を貫いて我が道を行く。そんな男顔負け、オトコマエな女子、成瀬に男も女もホレる!
幼馴染で変わり者の成瀬が「島崎!私はこの夏を西武に捧げようと思う!」と突然変なことを言い出したのをきっかけにストーリーが始まり、
成瀬の幼馴染、同級生など周辺の人たちのそれぞれのストーリーが互いに西武大津店という接点を軸に展開していく。
どのエピソードにおいても圧倒的な異彩を放つ成瀬あかりの存在感が半端ない。
成瀬を応援する人、憧れる人、好意を持つ人、関わりを避け、距離を置こうとする人、それぞれが、否応なく破天荒な成瀬に巻き込まれていく。
自分の地元にも西武百貨店があったことや百貨店の閉店という時代の変遷にノスタルジーを感じ、もしかしたら自分の周りでも成瀬みたいな人が居たのだろうかと思いを巡らせた。
自分にはとてもマネできないなと思いつつ、もし自分が成瀬あかりようなブレない人だったらどんなだろうかと想像し、色々考えてしまった。
それぞれのエピソードもどことなく懐かしく、親しみの持てる感じがして一気に引き込まれた。
小説を読む機会があまりない人でも面白くて読みやすいストーリーだと思うのでぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。おススメです--
出版社 : 新潮社
発売日 : 2023/3/17
著者 :宮島 未奈