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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】あなたは映画をどうやって見てる?『物語の法則』

 

人流抑制の一助のために自宅で映画を見ることが増えたが全然集中できない。
興味があるジャンルでも途中で集中力が切れてスマホYouTubeを見てしまう。
文明の利器は映画を見ることを難しくしてしまったのかもしれない。

本書は人を惹きつける「強い物語」と「魅力的なキャラクター」を創るためのハリウッド式の創作術の本である。映画「美女と野獣」、「ライオン・キング」、「アイアンマン」、「8マイル」のクリエイターが関与して作られた理論書かつ技術書である。

1時間から2時間もの間、観客の五感を離さずに夢中にさせる映画にはどんな仕組みがあるのだろうか。一つ一つのシーンには一体どんな意味や役割があるのだろうか。

本書の51pは「顧客との契約」というテーマである。そこには「ストーリーとは物語の作者と顧客との契約である。顧客は物語の作者に対し、金銭やそれ以上に価値のある時間を与えることに同意する、つまり顧客は時間を与えることを意味する。」とある。脚本家は顧客に対して、何があっても90分集中して作品に注目してほしいと頼みこんでいるのだ。

そうすると私たちがすることはスマホの電源を切り映画を見ること以外は一切何もしないことを差し出すことで、初めて映画からメッセージを受け取る準備ができる。映画はあなたを楽しませるための秘策を多く取り入れている。良い映画とは、受け取るための準備が整っているときにやってくるのかもしれない。

制作者目線を理解することは映画鑑賞の幅を増やしていくだろう。