普段何気なく体から排出しているウンチ。そのウンチについて詳しく見ていこうというのが本書のテーマ。ウンチには、たいへん貴重な情報が詰まっている。この本に書いてあることを理解すれば、明日からウンチ博士と名乗れなくもないだろう。
ウンチは約80%が水分。残りを食べかす、はがれた腸粘膜、腸内細菌が約7%ずつで構成されている。その中でも腸内細菌の種類は人によって千差万別。まさにウンチは個人情報の塊だ。これを機に、普段ただ流しているだけのウンチについて注意深く観察して考えてみないか。
大便が腸内の観察結果を記した「論文」だとすれば、オナラは「まえがき」のようなもの。オナラが臭いのは腸内環境が悪くなっていることを伝えるサインだ。悪玉菌がのさばると腸内環境の腐敗が進行する。1日300gのヨーグルトで便通をよくしよう。
著者は農学博士で専門領域は腸内環境学、微生物分類学。「うんち博士」として広く取り上げられており、講演活動も多い。本人も本書の中でネタにしているが、名前も辨野義己(べんのよしみ)ということで、正に名は体を表している。
本書は便秘や下痢で悩んでいる方にオススメしたい。毎日、普通に便が出る人にも読んでもらいたいが、やはり実感を伴うのは悩んでいる人だろう。大便は健康状態を知らせてくれる「お便り」のようなもの。時間のある時に目で見て、臭いを嗅いで自分の健康状態と向き合っていこう。
大便通 知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌 (幻冬舎新書)
- 作者: 辨野義己
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/11/30
- メディア: 新書
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