本書は怒られるための指南書だ。日頃よく怒られている2人の共著となる。タイトルにもあるように技術的な側面にも触れながら、誰かに怒られる上で持っておくべきスタンスを示してくれている。“怒られることはブルーオーシャン”、そう著者は言う。ビジネス書を多く読む人であれば腑に落ちるのではないだろうか。また、そのような言葉でブルーオーシャンを定義したビジネス書はなかったはずだ。
一つ一つの主張の核は、実は目新しいものはない。しかし、彼らの経験を通し彼らの言葉で翻訳されており、だからこそ共感する人は多いだろう。また、怒る人も多いだろう。
人は必要以上に周りから怒られることに恐怖を持っている。協調性が大切だ、人と違うことをしてはいけない、そう教え込まれてきた結果だろうか。しかしあらためて考えてほしい、そのルールは誰が作ったものなのだろう。きっとそれらは雰囲気で守られている。本書の言葉を借りるなら、“俺はこのルールは採用しないんで。”という一言で脱出できるはずだ。怒られることにためらってやりたいことが出来ないことは勿体無い、それが本書の主張の一つだ。
本書は現時点では電子書籍のみで販売されている。内容もさることながら、プロモーションもエンターテイメントの要素が多く面白い。販売開始前には全文無料公開、販売価格は300円だが、突如著者から1万円案も出された。(一時的にでもそうしたかは確認は取れていないが、その案を出したことでフォロワーから怒られていることは確認ができた。)内容においても電子書籍の良さを活かし、随時情報が更新されるらしい。ご注意いただきたいのが、増えるだけではなく、掲載されていた情報が減る可能性もあるらしい。先ほどの価格設定の話も含めると、早めに購入することをオススメしたい。