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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】菅田将暉の育て方。『3兄弟のあしあと 才能の芽を育んだ菅生家の子育て記』

 

この本は、或る一家の、或る母親による、或る3人息子を育てた体験を元に書かれたものである。
たまたまその3兄弟の長男が俳優の菅田将暉であり、著者の夫、つまり菅田将暉の父親が、たまたま私と13年前からの知人なのであった。読まないという選択肢は無い。怒られちゃう。

数える程度でしかないけれど、著者とも3兄弟と会ったこともある。
夫妻の印象は・・・「まあ二人ともよう喋りますな」に尽きる。
でも、賑やかながらも朗らかなお二人だ。オモロい夫婦とは、こういうことだろう。
息子達については・・・「物怖じすることなくハッキリと話し、構えるでもない、しっかりした子達」
どうしてこんなに良い子達なのだろうと思っていたのだが、それは、やはり、親の育て方次第なんだなぁと、本書を読んで改めて思わされた。
勿論、最初から子育てに長けている人など存在してない。著者にしたって試行錯誤、失敗、軌道修正を重ねながらやってきた。
本書では、子育て28年間を振り返って、それらあれこれを、素直に、平易な言葉運びで書き綴る。
3人それぞれの特性、彼らは一体どんな子供だったのか。
その彼らと、母としてどう接してきたか。
子育てに関する考え方を交えつつ、エピソードを披露。説教臭くもなく、ふ〜ん、そうなのか〜と楽しく読める。
家族写真も随所にふんだんに盛り込まれ、また、内容に即した3兄弟のアフタートークみたいな振り返りコメントも、なかなか興味深い。菅田将暉ファンにも嬉しいだろう。

そんなエピソードの数々の中でも、私の心を捉えたのは、"怒らないキャンペーン"だ。
う〜ん、なるほどねぇ〜。
他人ならともかく、家族だからこそ許されるだろうと思っての言動が、子供達を萎縮させ、お互いの関係を悪化させることもあるのだ。家族であっても、一人ひとりの人間の集まり。そこんところを間違えてはいけないのだね。

読者の中には、子供がいない、若しくは既に手離れしてしまった、という方もいるかもしれない。
しかし、本書で書かれている事柄達は、子育てだけではなく、人を育てることにも、他人との付き合い方にも通じるものがある。
私も、心に留め置きたいポイントを拾い上げておき、忘れずにいようと思う。
なお、本書を読んで、菅生家に共感をお持ちの方や興味が湧いた方には、お父さんからの視点で書かれた、菅生新さんの著作である『スゴー家の人々 ~自叙伝的 子育て奮戦記~』もおススメしておく。

私も、我が子を得た際には、身近な方々が興したこの二冊は、是非参考にしたいなぁと思う。
だけど、その前にまず嫁探しから始めなければならない。
うむ。先行きは永い。

3兄弟のあしあと 才能の芽を育んだ菅生家の子育て記
作者:菅生好身
発売日:2021年11月15日
メディア:単行本