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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】戦略・智慧・役立つ日常生活編3→危険!陰険!やばいワイロの渡し方!『全訳 六韜・三略の兵法』

 

相手の国や組織を自滅させ、しかも、戦わずにして勝てるかもしれない一手⁉️ こんなことを考えてはいけませんが、いつの世も「金や高価な品物」に目が眩むものです。本書は孫氏の兵法よりも古く、小説・マンガ・アニメで知られる「封神演義」の登場人物「太公望」が殷周革命の時に書いたとさせる兵法書六韜三略(りくとうさんりゃく)」になります。そこに書かれている内の一つが「相手国を自滅させる方法」で金品の渡し方などが書かれています。その方法とは!?

自滅させるには内部分裂をさせることです。そこで、金品を渡す相手、渡す量、渡すタイミングが重要になってきます。本書では12の方法が書かれています。状況によって方法を変え、これで相手国を落とすのです。本書にはこう書かれています。

【相手国を自滅させる策(文伐)】
【第一は相手の欲するままに要求を聞入れてやれば・・・墓穴を掘る・・・それにつけこめば、必ず脅威を取り除くことができます。】
【第二は敵国の寵臣をてなずけて、君主と権力を二分させるのです・・・】
【第三は側近の者に賄賂を贈って、しっかりとかれらの心をとらえるのです・・・】
【第五は相手国の忠臣を厚遇し、君主への贈物を減らすことです・・・】
【第十二に相手国の乱臣を手なずけて君主の心を迷わし・・・】

 とまぁ、君主と臣下を、特に有能か寵愛されている臣下を離反させたり、君主が正常に判断できない状態にさせたりするのです。国を守るためには、いかに君主と臣下(部下)と信頼関係が構築されているかが重要と思います。この策は君主をリーダーと、臣下を部下と置き換えると会社組織にも当てはまります。
 こういった書を読み、政治家の秘書が捕まった話を聞くと、もしかしたらこの策を用いているのではないかと勘繰ってしまいます。

 本書は現代語訳と解説、漢文の白文、書き下し文で構成されており、原文も学べるのに非常に良い一冊と言えるでしょう。また、人材登用・活用やリーダーとしての在り方も書かれており、組織をまとめる人にもおすすめの一冊になります。

発行  1994/6/1
著者  守屋 洋
出版社 プレジデント社

 

全訳 六韜・三略の兵法

全訳 六韜・三略の兵法

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