“働かざる者食うべからず”、この価値観が多くの人にとって当たり前であるが故に、生きづらさを感じている人がいる。いや、きっと当たり前と思っている人の中にも、息ができないくらい苦しんでいる人は少なくないはずだ。勉強やスポーツなど何事にも得手不得手があるように、それはきっと働くことにおいても同じはずだ。本書は今の世の中に生きづらさを感じている人への、“こっちの道もあるよ”と選択肢を示してくれる。
本書では価値観や考え方だけでなく、作者の経験をもとにしたニートを続けていく上でのノウハウも収録されている。特に何度も触れられているのがインターネットだ。住む場所や食べ物以上に、ネット環境の維持がライフラインであることがわかりやすく説明されている。また、意外にもセーフティーネットの機能として役所が重要な役割にある。
収入面でもせどりや転売、アフィリエイトなどのメリットデメリットが紹介されている。現在ではそのほかにも様々な収入を得る方法があるが、可処分時間の多いニートにとっては時間をかけられる方法が相性が良いかもしれない。
選択肢は多いに越したことはない。例え選ばずとも、選べる状態が心を軽くしてくれる。生き方の選択肢を増やしたい人にはオススメの一冊だ。
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
- 作者: pha
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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