本書は、オンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学(HIU)」定例会での堀江貴文氏、宇宙飛行士 山崎直子氏とのスペシャル対談をもとに、以下について主にまとめられている。
・宇宙飛行士の日常
・日本人初の宇宙飛行士
・ロケットの安全性
・ロケット発射の原理
・有人ロケットの展望
・火星に移住
・先人たちの失敗
宇宙は、多くのビジネスチャンスが秘めているものの、まだまだ簡単にクリアできない問題も多い。山崎直子氏も宇宙飛行士として試験に合格し、訓練を続けていく過程には、スペースシャトルの事故により、訓練を共に行ってきた人が、一瞬にして亡くなって行くところを目の当たりにしている。
そのような中で、訓練を継続していくには、精神的につらい部分もあるだろう。実際に船内の安全装置は、簡易的なものにすぎない。やはり、突発的に大きな事故が起こった際には、そもそも脱出どころではなく、一瞬なのだという。そのような自分の命の危険と隣り合わせの状況の中でも、新たな可能性に向けて取り組む勇気ある行動はとても真似できるものではない。
素人考えでは、宇宙飛行士=宇宙へ行けると安易に思いがちだが、実際に宇宙へ行くまでの訓練は、11年にも及んだという。日々「宇宙へいつ行けるのか?」という見えない目標に向かいながら、多くの訓練を継続していった。
ロシアの訓練は、アメリカや日本では、行わないような、精神修行的な訓練も行われている。宇宙で必要なことだけが、訓練ではないようだ。
また、宇宙ビジネスに関わったことがない人にとっての身近な宇宙と言えば、映画での世界だが、その中でも『ガガーリン世界を変えた108分』は、山崎氏からみても、臨場感があり、忠実に再現されているという。宇宙に興味を持っている人には、ぜひ見てほしい作品だという。
ビッグチャンスがあるとはいえ、まだまだ未知の部分も多い「宇宙」、失敗や危険を恐れずに果敢に挑戦するお二人の実体験を元に伝えられた本対談は、大変興味深く、最も印象深い対談の一つであった。