宇宙を遠い存在だと考えるのは、過去のことである。すでに宇宙は、私たちの生活に大きく関わっている身近な存在だ。例えばカーナビ、天気予報、飛行機機内のWi-Fiサービス等は、それぞれ衛星を利用しているのだ。
宇宙ビジネスは、かつての政府主導から、現在では、世界で1000社を超えるベンチャー企業が誕生し「宇宙で暮らし、働く世界」や「人類の火星到達」を目指し、日々開発に取り組んでいる。かつては映画の中だけだと思われていた世界が、まさに現実になりつつあるのだ。
これらの実現のために、まず重要なことは、低コストで宇宙へ行けるようにするということだ。そのために、100回の再利用を想定したロケットを開発している企業もあるという。目標は、打ち上げコストを現在の100分の1にすることだ。
それが実現できれば、宇宙旅行、宇宙エンターテイメント、資源探査など大規模な需要が認められる。宇宙旅行も低価格となり、宇宙ならではのエンターテイメントやスポーツができるようになるのもそう遠くはないだろう。
それに伴い、多くの人々が宇宙ビジネスに関わるチャンスが増加する。現在宇宙ビジネスに関わっていなくても、宇宙に興味を持っている人は多い。著者も子供の頃から宇宙に憧れていたという。そのような人たちに著者がすすめるのは「プロボノ活動」として関わることだ。
「プロボノ活動」とは、専門性を活かした社会貢献活動だ。著者自身も、宇宙ビジネスに関わりを持ったきっかけは、ボランティアだったという。
衛星、ロケット、宇宙ステーションなど聞いたことはあるが、よくわからない。本書は、そのような宇宙に関して初心者に向けて、わかりやすく説明されている。特に、宇宙ビジネスの主な市場セグメントが図で表されているため、まずはそこから確認してみると、全体像がより掴みやすくなるだろう。