長寿国として、世界に誇る日本。そして、健康食として注目されている和食。しかしながらその反面、50代、60代など若くして亡くなる人が、多くなっているのも現実である。
日本人は、テレビ等のメディア情報を鵜呑みにしやすい傾向がある。健康関連の番組や、権威のある医者が健康に良い、ダイエットに良いと伝えただけで、翌日その商品が、全国のスーパーから消えるというのは、珍しくない話しである。海外では、そのような話をすれば「そんなことは、信じられない」と驚かれるが、それほど日本人は情報が真実かどうか、自分にとって相応しいかどうかよりも、メディアや権威がありそうということだけで、影響されてしまう人が多い。
そのような中、著者が本書ですすめるのが、健康で長生きするための方法であり、病気になってから治すのではなく、病気にならないような生き方である。
近年では、病気にならないようにする予防医学が注目されているが、それは古来から日本にある「食養生」という考え方でもある。食べるものにより、身体の自然治癒力を高め、病や未病を防ぐということだ。世界中で様々な健康法が話題になっているが「日本人には、日本人の体質に適した食生活が最も重要であり、毎日自分が口にしているものが、身体をつくってきた」と著者は伝える。
さらに著者は、約40年にもわたり世界の長寿郷に入り60回以上の長寿に関する調査を行ってきた。その結果、それぞれの長寿郷でも著者がすすめる食生活を行っていた。
本書を読んだことをきっかけに、本書にあるヘルスチェックを受け、食事指導箋を作成してもらった。一般的に健康に良いとされ食べていたものを指摘され、食生活を少しずつ意識し改善していくと、疲れが早くとれるように感じてきた。食の欧米化により、食生活が昔とは変化してきているが、少しずつでも気にかけることが、健康維持につながっていくのだろう。
また、本書では風邪、アレルギー、慢性疲労、肥満、腰痛、不眠等、誰にでも当てはまるような、症状別の原因や対処法について細かく記載されている。さらに、がんや慢性病、根治が不可能といわれている病気に既にになっている人にも効果があり、様々な体験談が記載されているため、健康に気づかい、事前に予防したいと考える人にとっては、おすすめの一冊である。
血液をきれいにして病気を防ぐ、治す 50歳からの食養生 (講談社+α新書)
- 作者: 森下敬一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/01/21
- メディア: 新書
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