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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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新しい波に乗り遅れるな!『VRビジネスの衝撃「仮想世界」が巨大マネーを生む』

「VR元年」と称される2016年、フェイスブックやグーグルの参入や新たなHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の発売等、VR市場の拡大が勢いを増している。

VRというとゲームを想像する人は多いが、その最前線ではメディア産業、医療業界等、あらゆる業界がVRを利用したビジネスをスタートさせようとしている。
本書では、VRの歴史からVRビジネスの最前線、そして日本独自のVRビジネスを紹介すると共に、さらにその先のMR時代にはどんなことが可能になるのかを紹介してくれている。

実はVRは1990年代に一度ブームになったが、しばらくして収束している。
しかし、今起きているブームは単なるブームでは終わらず革命を起こすはずだ。
その理由は、技術の発展に伴う圧倒的な没入感の実現とデバイスの低コスト化である。
VRの最終目標は、人間の五感に働きかけて、現実世界と実質的には同じ空間を作ることであり、そこから感じられる没入感はテレビの解像度がいくら高くなっても得られるものではない。単に「観る」のではなく、「体験」するようになるのである。

例えば、映画産業ではスターウォーズが360度パノラマの動画を作成し、HMDをつけることで360度見渡しながら鑑賞できる。また、様々なキャラクターの視点に切り替えることもでき、同じストーリーでも異なる視点から鑑賞することができる。まさにその世界を「体験」することができるのである。
その他にも、観光、遠隔手術、建築設計、住宅展示場、結婚式場の下見等、ゲーム以外の分野でもVRを起点としてかつてのビジネスモデルを変えようとしている。
そんな中、日本ではプレステーションVRや、初音ミクと擬似握手、そしてバンダイナムコの「サマーレッスン」等、コミュニケーションを特性とするVRコンテンツが開発されている。
この先、VRは視覚だけではなく、VRの中での感覚を実際に感じられるようにもなる。
コミュニケーションもでき、感覚も感じられるようになれば、文字通り「仮想空間」が出来上がる。
その世界も自分で設計できるようになれば、現実世界よりも仮想空間の方で過ごす時間が長くなる人も出てくるかもしれないし、本当にマトリックスのような世界がくるのかもしれない。
本書はVRの最新事情だけでなく、そんな妄想をも広げてくれる本である。