高度経済成長期のように成長・拡大を続けることを目指す「大きな経済圏」に対し、個人や地域レベルで小さなつながりを持ち、支え合うコミュニティを著者は「小さな経済圏」と呼んでいる。そこで生きづらくなった現代の新しい生き方の鍵を握るのは「小さな経済圏」なのである。
CAMPFIREやpolcaといったクラウドファンディングを作った著者は、世の中のお金をもっと"なめらかに"して、個人を中心とした小さな経済圏を作っていくことをめざしている。そしてフィンテックにより膠着した金融のあり方、行きすぎた資本主義をアップデートしていこうとしている。
近い将来、テクノロジーが仕事を奪っていくようになり、生きる目的を外部に依存することができなくなる。そこで重要になってくるのは自分なりの生きがいを見つけて、幸せを追求できるかであり、世の中は個人の自由や幸せに価値を置く時代になっていくのだ。
本書は経済に精通しているとしたり顔のビジネスパーソンから将来なりたいものがなくてもがいている学生まで、一読することをおすすめする。
著者はCAMPFIRE、BASE、リバ邸を作ることで、行動を起こすときに言い訳になるような障害をなくなった、"なめらかな"状態を作り、資本主義のアップデートを図ろうとしている。そこでどう滑走していくかは私たち次第である!
なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。
- 作者: 家入一真
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2017/08/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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