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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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めっちゃ上品!知性溢れるエロス!いや、ほんまに。『官能植物』著者 木谷 美咲 (NHK出版、2017/5/12)

エロスは語るよりもみてもらう方が良いだろう。百聞は一見に如かずだ。まずは「珍宝閣(ちんぽうかく)」から見てもらうことにする。別名「成程柱(なるほどちゅう)」英語では「ペニスカクタス」。見てなるほどと思ってもらおう。日本語のまわりくどさ、英語の直接的な言い方が分かる。

https://goo.gl/p61y2q

もう一つシンプルなものを。「クリトリア」別名「蝶豆」。蝶の上に豆。
https://goo.gl/KWFsSf

・・・さて。
本書は以上のような見た目がエロい植物を集めた図鑑・・・ではない!
新約聖書』、『ギリシャ神話』、『万葉集』、そして、ダーウィンプラトンアリストテレスレオナルド・ダ・ヴィンチなどなど総数320もの参考文献からなる非常に知的な書物となっている。人類の歴史が刻まれているのだ。

植物の官能的な「形態」、「生態」、「匂い」、「利用」に着目しそれらの官能性について、人類の歴史を遡り非常に孤高な考察がなされている。

例えば、、、
「ネペンテス」
https://goo.gl/AFkl1N
この植物は、男性器と女性器両方のような形状をしている。つまり「両性具」を持つ植物と考えられる。
ここで、私もプラトンの中でも特に大好きな一作である『饗宴』を参考として上げよう。その中ではもともと人類は三種いたと言われている。

①男+男
②男+女
③女+女

以上のそれぞれが、元々はくっついていた。1つの体に4本の手足に、2つの頭。それを神が真っ二つに切ってしまったのが現在の姿(その時の縫い目がヘソである)だ。
そして、その半身を求める気持ちがエロスだと言われている。だからこそ人間は半身をいつも探し、抱き合い元の姿を取り戻そうとしている。
・・・少し、本書よりも解説が詳しくなってしまったが「ネペンテス」からはそういった昔の男と女がくっついていた世界を垣間見ることができる。このように全ての植物に対して、いろんな方向から解説を行う。知的好奇心を刺激しまくってしょうがない構成となっている。

そして、本書を読み終わる頃には「クリ」や「イチジク」がエロく感じてしょうがなくなってしまう。

さて、本書の装丁は完全に真っ黒、帯の裏や全ページ全てが真っ黒の高級感あふれるつくりとなっており、タイトルの文字は銀色に輝いている。そして本文に使われている字体がなんともエロい!、ひらがなの字体が美しい!。ここまでのこだわりを考えると4000円は買いである!。

さて、とにかく損はさせないので、紳士淑女の皆様ご購入ください。
最後に私がもっとも萌えた花で締めることにする。

「プレウロタリス」
https://goo.gl/t2jG9t

葉の中の小さい花がたまらん!!


官能植物

官能植物