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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】1番大切なことが20もあるの?『投資で一番大切な20の教え』

そうなんです。「それらはすべて重要なのである」だそうです。よくありそうなタイトルの本ですが、侮るなかれ。本書はウォーレン・バフェット氏をして「極めて稀に見る、実益のある本」と言わしめ、パークシャー・ハザウェイの株主総会で配布されたという、気高い投資哲学書なのです。
内容は172B米ドルを運用(2023年7月現在)するオークツリー・キャピタル・マネジメントの創業者であるハワード・マークス氏が、数十年に渡り発行してきた顧客向けレターを、自身の投資哲学として1冊にまとめたものとなっています。

書いてあることは極めてシンプル。価格と価値の関係性に目をつける、リスクを認識する、心理的要因の悪影響をかわす、などなど、使い古された格言のようなものばかり。最後の「これらすべてをまとめて実践する」というところまで、なんか既視感がありました。
一方で、昨年までのインデックス投資一辺倒という世間の雰囲気から、やっぱアクティブ投資だよね、と潮目が変わってきたこのタイミングで一読するのは意義深いと感じさせる重厚な内容でもあります。
個人的なTakeawayは、「無知を知ること」に1票です。知らないことを知っていると思ったり、決して分かり得ないことをわかると思ったりしないこと。肝に銘じたいと思います。

読んだら誰も否定できない真実しか書いてありません。背表紙を本棚のいつも見える場所に置いておいて、なんか人生が上手くいきすぎてるなぁ、と感じる時に手に取りたい1冊でした。

最後に、本書の中の数あるたとえ話の中で、印象に残ったものを1つ。(以下本書からの引用)

“効率的市場の信捧者である金融論の教授が、教え子と一緒に散歩している。
「あそこに落ちているのは10ドル札では?」と言う学生に、教授が答える。
「いや、そんなわけはない。もし10ドル札なら、誰かが拾ってしまっているはずだ」
教授が立ち去ったあと、学生は10ドル札を拾い上げ、一杯のビールにありついた。“