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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】AIの数字に唸り、5%社員の優秀さにのけぞる『AI分析で分かった トップ5%社員の習慣』

 本書の最大の特徴は、ずはり「AI が彼らを分析していること」だ。彼ら、とは「著者の関わった600社以上の働き方改革支援を通じて調査した、各社の人事評価トップ5%社員」のことだ。ビジネスパーソン18000人の習慣をAIが分析すると何が起こるか。それは、圧倒的な「数字」の羅列になることだ。例えば万歩計をつけたら一般社員よりも上位5%社員の方が14%も歩数が多い。定点カメラで観測すると、自席に座ってる時間は2割未満という人が5%社員の半数以上いた。(この時間は打ち合わせや他部署、外部に行くなど情報を取りに行っている)というように定量評価のオンパレードだ。その傾向の一端をみてみよう。

  ■過程よりも結果や目標を重視する。途中で達成を感じない。95%の一般社員は、失敗してもそのプロセスで自分を褒めている。しかし5%社員はその逆で結果を求める。

■時間を大切にする。5%社員は時計を見る回数が一般社員より多い。しかし適度な休息も取っている。 
メールの前置きがなく、その分メールを書くことも速い。「今、いいですか」と「それはできません」が口癖で、相手の時間をむやみに拘束しない。メールの返信も速い。

■人一倍向上心が高い。好奇心が強く新しい物好き。

 いかがだろうか。こうみると、組織の中のトップ5%の社員の習慣は、必ずしも組織に属していないフリーランスや、組織の長たる経営者にも仕事の仕方の流儀として参考になることは多いのではと感じる。いやむしろ経営者ならとっくにやっていることが多いかもしれない。なぜなら、時間がなく自分で好奇心をもって率先して動き、人脈やチームを作って物事の結果を求めなければいけないのは経営者やフリーランスには当然の務めであり、大雑把に要約すれば5%社員はそれらを組織内でも自然にやっているというわけだ。

 そんな意味でも社会人なら誰しもこの所に照らし合わせ自分の行動を振り返ってみるのによい「鏡」になる本であろう。そして読むそばから、1分1秒の時間が勿体無く感じ、彼らの時間効率のよい仕事の習慣を真似たくなってくる。そしてAI分析による数字、定量評価にいかに我々は心奪われるか、も味わえる刺激的な本である。

■著者  越川慎司
■発行所 ディスカバー・トゥエンティワン
■発行日 2020年9月25日