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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】この本の半分は優しさでできています。『きまじめでやさしい弱者のための「独立・起業」読本』

 

冗談ではなく、この本は本当に半分優しさでできた本なのだ。起業したいけど、色々なことが気になって躊躇している人、社会的にマイノリティという立場にあって起業のハードルが高くなっている人。そんな人を勇気づけるために、本当に一冊の半分を割いている。そして残り半分は現代の社会的課題などを挙げながら時に厳しい言葉も交え、起業へ背中を押してくれる。起業したい人はこの一冊できっと勇気が湧くだろう。

企業したい人向けの本といえば、意識が高い系の人たち向けに書かれた本をよく思い浮かべる。しかしLGBTsなどに代表される社会的マイノリティと呼ばれる人たち向けに書かれた本は評者の記憶にはなかった。そう思いながら裏表紙を見てみると「社会的マイノリティに向けた、日本で初めての「独立・起業」ガイド」と書かれていた。なんと日本初となる試みで書かれた本だった。

この本の内容は起業についてのHow to等ではなく、経験と実話を基にした起業のコツやおすすめの資格などを紹介するものになっている。ターゲットを社会的マイノリティに向けているので、マジョリティ側が読んでも参考にならないかといえば、むしろマジョリティ側こそ読むべきである。今世界中の企業がこの課題に真摯に向き合うことで成功を収める例が増えている。社会的課題に向き合うということは、これから起業する人だけではなく、どんな企業で働くひとも他人事では無くなってくるのだ。

絶対的価値観のないこの世界で、人々は答えを求めて安心を得ようとする。白と黒しか無かった世界に急に広がるグレーという考え方。それは優しさという言葉の言い換えなのかもしれない。白黒という二極思考に溢れたこの世界でグレーを許容できる人は、この先きっと価値が高騰し幸せな人生を送ることができるのだろう。

史上最高に起業しやすくなったこの時代。そしてダイバーシティの概念と必要性が急速に広まり求められる時代。この本に出てくる事は、これからの時代に生きる起業家は絶対に理解しないといけない社会的課題であり、成功のために必要な知識がでもある。その理解を深める一助となるこの本を、是非一度手にとってほしい。