アドラーの言う通り、「すべての悩みは対人関係の悩みである」ならば、人間の行動原理となる人間心理について分析する心理学は、多くの問題を解決できる、最も汎用性の高い、最強のビジネススキルではないか。
そう考えたのが、著者が心理学にのめり込んだ理由だそうだ。
本書では、第一章「恋愛編」、第二章「仕事編」、第三者「デジタルコミュニケーション編」と区分けをした上で、それぞれ細かいセンテンスに分けて、ケース毎の心理学的なテクニックを具体的に挙げている。
なので、章を跨いで同じテクニックが再び書かれたりもしているので、目次からそのときに応じて必要なページを紐解くのが賢い使い方だろう。
著者も記述している通り、全てを頭に叩き込むと言うよりは、必要なときに必要な箇所だけサクッと開いて、サクッと実践するのが得策と言うことだ。
思い悩んだときに頼りにする為、手元に置いておきたい一冊となりそうだ。
ただ、テクニック云々の前に大事なことが一つ。
全編を通して強調されているのは、「信頼関係」の構築である。どの心理テクニックも、信頼関係無しには機能し得ない。
では、相手から信頼を得るにはどうしたら?
自分中心の考え方を抑えて、先方のスタンスをまず考え、受け入れることであろう。