著者は、ニッポン放送のアナウンサーであるが、入社した頃はいわゆるコミュ障で、コミュニケーションを上手く取れないばかりか、ゲストからも「絡みにくいアナウンサー」と疎まわれてしまったこともあるくらいだったそうだ。
よくもまぁ、それでアナウンサーになろうと考えたものだと思うが、克服の努力の結果、ちゃんと仕事を20年も続けていると言う。
私はといえば、自分のことを特にコミュ障であるとは思っていないが、昔はどちらかといえば口ベタな方だった。それは、相手にどう思われるだろうかと考え過ぎるあまり口を閉ざしてしまう、という様なことだったと思う。
また、今でも、「あ、ここで二人切りになったら何しゃべろうか」と身構えることは普通にある。
だから、本書は、当然にして同じ様にコミュニケーションが得意ではない方々の為に書かれてはいるが、自分の様な「そこまでではない」、という方にも参考となる箇所は幾つも有ると思う。
特に、私が反省を促されたのは、「でも」っていわない、と決めるだけでかなり会話は上手くなります、ということであった。
本書の中では、身につけておくと会話がスムーズになるという24個の『武器』提示され、具体的な実用例も述べられている。
それらの中には、なるほどねぇと私からしても頷けるものも多い。
『最強の相づち、「えっ!?」「あっ!」を駆使する』
『相手の言葉を「オウム返し」すれば会話は続く』
『とにかく疑問形で話をしよう』
『魔法の言葉『HOW」を活用しよう』
それから、書中で面白いなと思ったのは、コミュ障の方々の悩みの中でも「美容院でのコミュニケーションが苦痛」ということに多く方が共感している、ということだった。
そういう方たちへ著者が望むことは、「話しかける勇気」と「へこたれない強さ」だ。
何事もトライアンドエラーが重要なのだ。