税理士全体に占める20代の登録者数は全体の0.6%と極めて少数だ。本書にはそのような狭き門をくぐり抜けた著者の勉強法が記載されている。
税理士試験は5科目の合格が必要になる。この1科目のボリュームが膨大で、しかも試験は年1回であるため、資格取得までは長丁場の戦いとなる。そのため、①膨大な知識を効率よく手にする記憶法の修得、②長期試験にモチベーションの維持が欠かせない。
著者は①に関しては、脳のメカニズムに基づき、1日後・3日後・1週間後・1か月後と定期的な間隔での復習や、予備校授業の重要ポイントの見極めにより効率性を達成している。また、②に関しては、朝一番に行うべきタスクを自分に課し集中的にこなすこと、試験時期から逆算で算出しつつ、達成状況のフィードバックを行い、腹八分目のボリュームにより無理無くかつ軌道修正しやすい計画を立案することを実施していたという。
なお、本書では著者の経験に基づき「税理士試験」が中心ターゲットとしているが、上記の内容以外にも様々な勉強法に触れられている。そのため、自分に合った勉強法を取捨選択することができるはずだ。
平易な文体での記載であり、レイアウトも見やすくさらさらと読める内容なので、気軽に税理士の資格はどのような資格か知りたい人や、これから難関資格試験に挑戦する受験生に一読を勧めたい。