HIU公式書評Blog

HIU公式書評ブログ

堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

MENU

【書評】しくじり?何ですか、それ?『マリス博士の奇想天外な人生』

マリスは天才中の天才だ。

DNAを増幅させるPCRは彼にノーベル賞をもたらした。

が、これがかすむほど彼の人生は面白い。

招かれた授賞式で日本の皇后陛下に「スウィーティ」と挨拶し、雇われたO・Jシンプソンには裁判中にチアリーダーの電話番号を聞く。ノーベル賞の授賞式では、スウェーデン国王に自分の息子を王女に売り込み、交換に国土の1/3を要求する。

これが恐ろしいのは、彼がシラフでの出来事であることだ。

ちなみに、シンプソンは弁護士を通じ「俺を無罪にしたら教えてやる」と伝えてきたとゆう。

マリスの趣味は、サーフィン、女、LSD(麻薬)。

それを、ドキュメンタリー番組でしゃべってしまうヤツでもある。

独自の理論でHIVを説き、GSK(グラクソスミスクライン:世界最大の製薬会社)と正面切って対決した話には正直引いた。

単なる問題児なのだが、彼は「自分は正直に生きているだけ」と表現する。

どこかで聞いた言葉ではないであろうか。

人生は好きなことに熱中するためにあり、周囲を気にして送るものではない。

まあ、自作した催涙ガスを近所に漏洩させなければだが。

ありふれた人生論だが、実践した結果ここまで路線から外れると笑いたくなる。

そう、笑っていいのだ。

閉塞感漂う日本から脱出したくなること請け合いだ。 

マリス博士の奇想天外な人生 (ハヤカワ文庫 NF)

マリス博士の奇想天外な人生 (ハヤカワ文庫 NF)