マリスは天才中の天才だ。
が、これがかすむほど彼の人生は面白い。
招かれた授賞式で日本の皇后陛下に「スウィーティ」と挨拶し、雇われたO・Jシンプソンには裁判中にチアリーダーの電話番号を聞く。ノーベル賞の授賞式では、スウェーデン国王に自分の息子を王女に売り込み、交換に国土の1/3を要求する。
これが恐ろしいのは、彼がシラフでの出来事であることだ。
ちなみに、シンプソンは弁護士を通じ「俺を無罪にしたら教えてやる」と伝えてきたとゆう。
マリスの趣味は、サーフィン、女、LSD(麻薬)。
それを、ドキュメンタリー番組でしゃべってしまうヤツでもある。
独自の理論でHIVを説き、GSK(グラクソスミスクライン:世界最大の製薬会社)と正面切って対決した話には正直引いた。
単なる問題児なのだが、彼は「自分は正直に生きているだけ」と表現する。
どこかで聞いた言葉ではないであろうか。
人生は好きなことに熱中するためにあり、周囲を気にして送るものではない。
まあ、自作した催涙ガスを近所に漏洩させなければだが。
ありふれた人生論だが、実践した結果ここまで路線から外れると笑いたくなる。
そう、笑っていいのだ。
閉塞感漂う日本から脱出したくなること請け合いだ。
- 作者: キャリー・マリス,福岡伸一
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/04/09
- メディア: 文庫
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