本書は無駄なものを作り生活をしているYouTuberの生態と、その生き方に迫った本だ。生産性や効率を求めて仕事に向き合っている人間では、思い至らない発想や成果物が本書には詰まっている。
著者の発明品はとにかく無駄だ。ツイッターで“バーベキュー”と呟かれるたびに藁人形に五寸釘を打ち込む装置や、札束で頰を撫でて仕事へのモチベーションを高めてくれる装置など、本当に無駄なものばかりだ。しかし、著者はそんな無駄なものを作り続けることで生活をしている。
市場価値は希少価値であると考えてみると、著者の活動がマネタイズできているのは、それだけ現代では無駄が少ないのかもしれない。無駄なことを無くして効率を追い求めていった、結果無駄なことに価値が生まれるというのはとてもおかしく楽しい話だ。
効率化が求められる現代で疲れを感じてしまっている方は、ぜひ本書を手に取ってほしい。地味なスペースに置いている書店が多いので、書店で購入しようと考えているならば根気よく探してみよう。
無駄なことを続けるために - ほどほどに暮らせる稼ぎ方 - (ヨシモトブックス)
- 作者: 藤原麻里菜
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2018/11/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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