インターネットの発達とともに、見ず知らずの人との、無記名で顔の見えないコミュニケーションが発達して来ました。それを「バーチャルソーシャル」、それに対して、友達や家族などの近しい間柄のことを「リアルソーシャル」と呼びます。
mixiは「リアルソーシャル」のコミュニケーションについて考え抜いた会社です。そうして考え抜いて生み出されたプロダクトが、「モンスト」でした。
モンストが流行したことを誰もが知っていると思いますが、実はその背景として、「mixiパーク」というサービスの失敗があります。
その原因は、①体制②マネタイズ③ゲーム内容、の3つ。
①に関しては、「事業内容コミュニケーションシート」を作ったり、メンバーの言葉の統一化などで対策をしました。
②に関しては、イノベーター理論に基づいて、一気に広めるのではなく、最初の100人が「燃えるように熱いユーザー」になるようにして、広報戦略を立てることで対策をしました。
③に関しては、ゲームの内容をよりゲーム性の強いものにすることで対策をしました。
「モンスト」は、楠木建さんが書いた「ストーリーとしての競争戦略」で紹介されるフレームワークを使い、戦略を練ったことがうまくいった秘訣だと考えられます。
それは、コンセプトとそれを達成する戦略パスを4つ設けることです。
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コンセプト:B.B.Q(バーベキュー)
特定の顧客:友達や家族と盛り上がってみんなでワイワイしたい人たち
①対戦型ゲーム
②バイラルマーケティング
③ユーザーサプライズファースト
④メディアミックス
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①対戦型ゲームの良いところは、予知できないことが起きることでより緊張を生み出せること。そこをうまく取り入れました。
②バイラルマーケティングのバイラルとは「ウイルス性の」という意味。招待制を使って、うまく集客を成功させました。それは、ユーザーが家族や知人に招待したいと思わせるようなフックが鍵でした。
③ユーザーサプライズファーストでは、常に顧客の期待を上回ることを実現させました。それは、過去の成功を自己破壊することと定義されています。
④メディアミックスをすることで、幅広いユーザーに対してアプローチをすることが可能です。大きな広報となったのはやはりyoutuberによる紹介動画でした。
そのようなフレームワークに沿った戦略を事細かに練ることで、「モンスト」は成功したのだと考えられます。
- 作者: 木村弘毅
- 出版社/メーカー: 日経BP社
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