起業と聞けば、ついついハードルの高さを想像し躊躇ってしまう。SNSで見かける起業家やフリーランスの活動は確かに憧れるほど素敵なものに映るが、初めからそうだったわけではない。それではどのように過度なリスクを背負わずに起業できるのか、本書は実体験をもとに教えてくれる。
タイトルにもあるこの“しょぼい”というスケール感だが、どの程度のものと考えて置けばいいのだろう。人によって違うとは思うが、“いざという時に逃げられるかどうか”がしょぼいかどうかの一つの基準ではないだろうか。もしも失敗してしまった時に逃げられない状態になりそうであれば、それはきっとしょぼくない方の起業だ。著者の言う“しょぼい”と読者個々の“しょぼい”は補正が必要かもしれない。
その上で本書ではしょぼい起業のためのヒントが散りばめられている。その一つが“生活の資本化”だ。これは今の生活の中にあるものを、そのままビジネスのための資本として活用するという考え方だ。新たに生み出す必要も大きなコストをかけて手に入れる必要もないため、いざ失敗してもすぐに逃げればそれでいい。痛手はほぼ負わずに済む。
“結局起業で成功するのは一部の天才”、そう思っている方は多いだろう。結局そうなのかもしれない、ただ、そうではないかもしれない。それを確かめるためには結局自分で動き出すしかない。確かめてみたい、そう思った方はぜひ本書を手に取ってほしい。初めの一歩をどのように踏み出せばいいか本書は教えてくれる。

- 作者: えらいてんちょう
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2018/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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