本書はまだ何者でもなかった堀江貴文氏の積み重ねた「イチ」の軌跡を見ることができ、そこには堕落した麻雀漬けの大学生活、女の子に声をかけることができなかったことなど、語りたくない過去なども記されており、著者が「どこにでもいる学生」だったことがわかります。
そんな中、友人に誘われて行った「ヒッチハイク」ではじめて声をかける緊張感、はじめてヒッチハイクに成功したときの達成感を味わい、「僕にもこんな大胆なことができるんだ!」と少しずつ自信を持ち、確実な自分の殻を破ったという手応えをつかみます。
それから、東大を中退し、ギャンブルに明け暮れ、塾講師のアルバイトをしているとき、休憩室で弛緩しきった空気とそこの一部になっていた自分に気づきます。
このまま塾講師を続けていたら、間違いなく弛緩しきったこの風景の一部になる。
「このままでは一生、このまま」だ、とゾッとします。
危機感を抱いた著者は東大に行き、「プログラマー募集」の求人の張り紙を見て、中学生時代にパソコンに熱中し、コンピューターのシステム移植の仕事でお金を稼いだこと、そのとき感じた達成感や充実感、働くことの意味を思い出します。
手始めに「東進ハイスクール」のアルバイトに飛び込み、次にベンチャー企業に転身した著者は仕事にのめり込み、インターネットと出会い、加速していきます。
本書には、堀江貴文氏が自分の殻を打ち破るまでが記されており、ヒッチハイクなどの成功体験やパソコンにのめりこんだという経験が著者の強烈なバックボーンになっていることがわかります。
『ヒッチハイクからはじめてみるか、飲み会の幹事からはじめてみるか、さっそく起業から動き始めるか、進む方向やスピードはどうでもいい。とにかく「ゼロのままの自分」に見切りをつけ、一歩を踏み出すことだ。』
読者がもし行動できず、悩んでいるのであれば、何度でもこの本に戻ることをお勧めします。
必ず、背中を押してくれます。
- 作者: 堀江貴文
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/11/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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