- 作者: ラルフ・ウォルドー・エマソン,大間知知子
- 出版社/メーカー: 興陽館
- 発売日: 2018/01/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書は、世紀を超えて読まれている世界的名著である。ラルフ・ウォルドー・エマソンの『SELF-RELIANCE』=「自己信頼」という考え方はニーチェ、ソロー、トランプ大統領、宮沢賢治、福沢諭吉他、多くの時代を切り開いてきた人々に影響を与えてきた。 オバマ元大統領は、本書を最も影響を受けた愛読書にあげている。
世の中には、自分を信じられない人が多くいる。高学歴、華麗なる職歴、真面目で良い印象を持っている人ほど、口を揃えてこう言う。「自分に自信がない」いくら、長所を伝え、褒めたところで(お世辞ではなく)、「そんなことは無い」と、頑なに「自信がない」という気持ちを譲らない。この強い感情は、どこからきているのか。このような人々は、常に他人と自分を比較し、自分の劣っているところを探し、過去に人に言われたことなどを長期間、心に宿している。
しかしそのルーツは、育った環境にもあるようだ。子どもの時に親から注意されたこと、兄弟と比べられ劣っていると言われたこと、または他の兄弟に手がかかり、親にかまってもらえなかった等により長年自信がないという人も多い。
著者は、このように自己信頼を遠ざけるのは、「過去に言われたことや出来事により、現在も、未来もそうなる」というように、一貫性を守ろうとすることだと語る。本書で、著者が伝える重要なことの一つは、「他人の意見ではなく、自分の心の声に耳を澄ませることが大事。頼るのは、自分自身だけ」まさにこれが、「自己信頼」自分を信じるということだ。
しかし、人は多くの人とかかわり、自分の考えより、周りの意見を重視する傾向がある。誰の言葉を聞き、何を信じたらいいのかわからない。そんな時、著者は「一人でいれば、内面の声が聞こえる。しかし、大勢の中では、聞こえなくなる。世間に同調してはいけない」と語る。例え多くの人が、自分と意見が異なっていても自分自身の心に従うということだ。周りの意見に惑わされた時には、自分の直感のみが正しい方向へ導いてくれる。
著者自信、幼い頃に父を亡くし貧困や複数の病気と戦いながらも、14才でハーバード大学に入学した。しかし、結婚後まもなくして、最愛の妻、兄弟の相次ぐ病死など様々な困難な経験から、 生涯を通じてこの「自己信頼」を多くの人々に伝えてきた。この考えは、現在でも世界中の多くの成功哲学書、自己啓発書で引用されている。