多くのビジネスがネットワークへ移行している現在、組織に所属することが必ずしも安泰ではなくなってきている。学校を卒業し、一社で継続して働くことがリスクにもなりうる。
大企業という肩書きがあってこそできた仕事も、会社を辞めた途端に相手にされなくなるというのは、よく聞く話だが、まさに、個人としては評価されていないということなのだ。特に転職の経験が無い場合、定年後に初めてそのようなことに気づかされるのでは、その後の不安も大きいだろう。
著者が学歴や職歴をださず、「ちきりん」という名前だけで、ブログを書き始めたのは、まさに「自分には価値を生み出せるのか?」ということを確認したかったからだと語る。
人生100年と言われているこの時代、著者が提案するのは「職業人生は二回ある」「一生の間に二つの異なる働き方を選べる」という考え方だ。一度目は、よくわからずなんでも上手くいかない。しかし、二度目は一度目の経験をもとに実行できる。
本当にやりたい仕事かどうかわからなくても、とりあえず始めた最初の仕事からその経験を通し、後半の人生では、自分が本当に望ましいと思える生活スタイル「オリジナルの人生」を想定した働き方をするということだ。
本書では、「自分自身のオリジナルの人生を手に入れるための3ステップ」を紹介している。
ステップ 1
手に入れたい人生を明確にする
ステップ 2
複数の将来シナリオを持つ
ステップ 3
市場で稼ぐ力をつける
著者が「二回の職業人生」を勧める理由は、著者自身が実際に、後半の人生に新しい働き方を選び、本当に楽しいと感じ、自信を持って勧められるからだと語る。
新しいことを始めるということは、不安や恐れももちろんあるだろうが、自分自身の人生、「楽しいこと」、「好きなこと」だけで生きていくということは、まさに、本来の生き方なのではないかと考える。
未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる (文春文庫)
- 作者: ちきりん
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/11/10
- メディア: Kindle版
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