私は興味があることはまずはネットにアクセスし情報を仕入れる。その情報収集の結果得られる知識は3つの段階に分けられる。一つは理解して認識した情報、一つは理解していないけれど認識した情報、そして最後はふわっと存在だけ認識した(もしくは認識したと思っている)情報だ。
ネット上で情報を仕入れる際に気をつけておきたいことは、収集できる情報のレベルは個々人によって異なることだ。知りたい情報は私の知っている言葉からしか検索できない。詳しく知ることもできるし、私にとって不確かな情報の存在をしっかりと認識することもできるが、存在自体認識していない情報を“意図的”に収集することは原則できないと思っている。
その点書籍の利点は紙か電子書籍か問わず、知りたいテーマの情報が体系立てて編集されていることだ。本書のテーマであるビットコインやブロックチェーンについても同様で、日頃のネットサーフィンやそのテーマに明るい人物の発信する情報を浴びることで、大枠で理解はしていた。しかしながらそれでもやはり私の知りたいことの範囲を超えた情報、知りたいとは思っていなくても実は知っておくべき重要な情報に触れることは難しい。
実はニューヨーク州では暗号通貨の規制が極端に厳しいということ、高齢者などを狙った投資詐欺が発生したことなど、直接的に被害を受けるとこはないだろうが、私の周りに影響する可能性がある情報も、本書を通して今回新たに知ることができた。
未知か既知かは問わず、書籍は体系立てた文脈の中で知ることができる良いツールだ。キュレーション機能などすでに様々なサービスがあるためネットで収集可能な情報の質も高いのだろうが、それでも埋まらない知識があると感じた際には書籍という選択肢も持っておいてはいかがだろうか。本書も改めて暗号通貨周りの知識を棚卸しし整理するには良いツールだと思う。すでにプレイヤーとして活動している方にもオススメの一冊だ。
- 作者: 大塚雄介
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2017/03/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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