『北欧スウェーデン式自分を大切にする生き方 心の病を抜け出した夫婦からのアドバイス27』著者 マッツ ビルマーク、スーサン ビルマーク 翻訳 齋藤 慎子(文響社、2017/8/11)
昨今、良く生きるための指南書が溢れている。それらの多くは一歩を踏み出すため、現状を打破するような力強いものが少なくない。本書は良く生きる・幸せになるための選択肢を提示しているが、その選択肢はいまこの時・この場所を大切にするためのものだ。熱を帯びた応援が苦手な人も安心してほしい。
幸せになるための選択肢は無限にある。だからこそ何から手をつければいいかわからず途方に暮れてしまうことはないだろうか。そんな時にはぜひ本書を手に取ってほしい、27の施策のほとんどはあなたの半径5メートル以内で完結できるものばかりだ。
身近なものを変えることで幸福度は大きく変わる。その一例が本書で取り上げている「傷つきやすい心を隠さない」ことだ。人は傷つく生き物だ。どんな人間でも傷つく、傷つくことそれ自体は実はあなたの幸せには関係ない。本質は「傷ついたことを隠す」ことだ。その行為の後ろめたさから人との信頼関係が弱まり、あなたはあなた自身の幸せから離れてしまうのだ。傷つくことは毎日訪れる空腹と同じくらい当たり前のことだ。急に変えることに抵抗があるようなら、大切と思う相手にいつもより二割り増しで内面をさらけ出してみてはどうだろうか。
幸せになるための選択肢の多くは現在地から手の届く場所にたくさん存在している。そのうちの27個の選択肢が本書に収録されている。28個目にあなた自身の選択肢を見つけるために、本書を手に取ってみてはいかがだろうか。