みんな、本を読むこと、書評を書くことを難しいと捉えすぎだ。本を読むことも、書評も書くことも全く難しくない。
本書は、まず本を読むにあたっての心構えとして「全部読もうとしないこと」挙げている。
逆に、自分にとって価値のある1行に出会うことができたのであればそれはそれで良いではないかというのが著者からのメッセージだ。
そして、「速く読むな。遅く読め。」とも書いている。
ないことを知ること、慣れていないことをすることに時間がかかるのは当たり前のことであるから、じっくり読めば良いという。
また、読書には2つのパターンしかなく、新しい知識を得るための読書とすでに知っている知識を深く知るための読書の2パターン。このどちらにしても、時間がかかって当たり前のことである。
本書では本の読み方の他にも、実際に著者が本を読み、線を引き考えたこと、感じたことを書いている。
それを真似すれば確実に書評は書けるようになる。
具体的には、書評を2つのパートに分ける。
まず、はじめのパートで全体の説明をするのだ。
この本は「本を読む読者に対して、本を読んで一本でも心に留めれる文があれば良いではないかと提起した本です。」と書き、そして簡単に目次を追いながら全体の説明を書く。
「この本は大きく2つのパートに分かれており・・・。」と書けば良い。これで1つ目の全体の説明のパートは完成だ。
そして、2つ目のパートとして、印象に残った文章を引用し、そして思ったこと考えたことを書けば良い。
「私は、この本の始まりで書かれている「評価とは理解である」という文章が心に残った。
なぜならば、こうやって書評を書いているが、難しかった本、理解できなかった本に対して面白いと思うことはない
(具体的には、『ブラック・スワン-不確実とリスクの本質』)。
逆に、自分が普段なんとなく思っていることを単刀直入にわかりやすい言葉で説明してくれる本はとても良い本だと思う(それはこのブログで紹介している本達)。
また、普段の仕事に置き換えてもそうだと思うのだ。あまり、よく分からない人のことを高く評価することはまずない。
この人がどういう考えの元でどういう行動をしているかがわかると、その人を自然に評価できると思うからである。
普段なんとなく思っていることを単刀直入に表したこの言葉が印象的だった。」
そして、締めの文を一文書けば、書評は完成だ。
「この本は、良い本の良い文だけを集めた傑作選のような本だ。普段あまり読書をしない人も本書を読んで、お気に入りの文を見つけ、書評を書いて欲しい。」