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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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声や話し方を変える!『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』 著者 魚住 りえ (東洋経済新報社 、2015/8/7)

本書では、聞きやすく、好印象をもたれる話し方ができるようになるための、簡単に実践できるコツが50にまとめられている。著者は、元日本テレビアナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして活躍する魚住りえさんだ。

著者は、アナウンサー活動の傍ら、オリジナルの「話し方レッスン」を行っており、声と話し方のスキルを「魚住式メソッド」として生徒に教えているとのこと。そのレッスンでは、たった1回のレッスンで声も話し方も劇的に変わると生徒たちも驚くそうだ。

魚住式メソッドの特徴は、話す内容ではなく、声や表現方法に特化しているところであり、このメソッドの最大の利点は、トレーニングすることで、誰でも、確実に話が上手になることだと著者は言っている。

本書の構成としては、第1章で新しい声を手に入れる最速レッスンとして、腹式呼吸、共鳴、滑舌のトレーニングを解説している。続いて、第2章では理想の話し方になるため、声の高さとスピードを操る方法を、そして、第3章では話し方が劇的に上達する朗読トレーニングについて、第4章は話し方、聞き方のテクニックを解説している。

今回は、第1章「まったく「新しい声」は簡単に手に入る」から、声が聞きやすくなり、相手への伝わり方が大きく変わる「共鳴」について紹介しよう。

人差し指と中指を鼻先に軽く触れて、口を閉じたままで「ムー」とハミングする。様々な高さの音を試すと、鼻先に触れた指先が細かく振動する。この振動が「共鳴」だ。そして、これこそが自分にピッタリの、相手が聞き取りやすい高さの音なのだ。

これは実際に私もやってみたが、確かに指先が振動する声の高さがある。いつもの自分の声よりは、少し高めに感じる声だ。家族相手にその声で話してみたが、大きな声を出さなくても、相手に伝わるだろうなということは実感できた。

さらに本書では「共鳴」に関して、自分自身の「一番いい低い声」や「一番いい高い声」の見つけ方が紹介されており、状況によって低い声と高い声を使い分けるというのも、とても興味深い。

実はこの本は2015年12月に購入(Kindle 版)したものだが、今回、本書を読み直したのは、ある会合で「あなたの声はまったく聞こえない」と言われたことがきっかけだった。確かに思い出してみると、私がお店で何か注文をするとき、「え?」と聞き返されることが多かったように思う。

このあたり、私と同じように聞き返されるといった経験がある方は多いのではないかと思う。というのも、お店で注文する場合、静かな場所というのはほとんどなく、音楽が流れていたり、他人の話し声がしたり場所がほとんどだからだ。

しかし、そういった場所でもしっかりと相手に伝わる声や話し方の持ち主はいるのだ。相手が聞き取れる、聞き取れないの違いは、何だろうか。興味がある方は、実際に本書を手にとってみて欲しい。

というわけで、本書は、自分の一番聞き取りやすい声を知りたい方や、私と同じように相手に聞き返されることが多い方、そして、日常会話のテクニックを知りたい方におすすめである。また、自分の声が相手にどう聞こえているか、相手がどう感じているかと気になる方にも、ぜひ手にとってほしい一冊である。