あまり気が進まない仕事をするとき、みなさん、どうしているだろうか?
やる気を出す方法としては、本書の最初に紹介されている「とにかくやり始めること」が、やる気スイッチを入れる方法として有名だ。まずは5分間始めてみるだけだ。
そして、調子が出てきたところで、続けて効率を上げるためには、どういった方法があるかというと、これが実に面白いのだが、本書によると「声を出しながら、目の前のことにあたる」のが有効なのだそうだ。
つまり、動作に効果音(かけ声)、例えば、「ヨシ!」「いける!」などを声に出すことで、効果や効率が増していくという実験結果が出ているのだ。
とはいうものの、声を出しながら何かをするのは、時と場合によっては、周囲にとって迷惑極まりない行為となる。というよりも、恥ずかしい。よってまったく実践できないと思われるかもしれないが、著者によると、声を実際に出す必要はなく、心で念じたり、音声を聞いたり、その単語を見るだけでも効果があるとのことだ。
この他にも本書では、”背筋を伸ばすとストレスホルモンが減少する”、”ここ一番のとき、不安を書き出すとむしろ集中力が高まる”、”「手浴」には温泉浴と同レベルのリラックス効果がある”など、世界の科学論文などで紹介されたエビデンスのあるノウハウが、全38項目も集められている。
私事になるが、実は、エビデンスのあるノウハウをまとめた、まさにこのような本がないかと探していたところだった。何とも最高のタイミングで私の前に現れた本書。今すぐにでも実践できるものが中心に紹介されているというのも嬉しい。
最後に、本書の38項目を初めから一つずつ実践してみる必要はない。目次を開いてみて、自分が気になるところから実践してみるのが良いだろう。元気になりたい方はもちろん、ストレスを少なく、パフォーマンスを最大に高めたいという方におすすめしたい本である。