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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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全力で逃げろ!『逆転力』

全力で逃げろ!『逆転力』著者:指原 莉乃(講談社、2014/8/11)

「戦う」ということは目的を達成するための手段だ。一方で著者は1番になるために「逃げる」という手段を正しく選択している。それは格好悪いことなのだろうか、否。格好悪いという評価があるとすれば、それは手段そのものではなく、目的を忘れて手段に固執することだろう。

著者の所属するグループは海外メンバーも合わせれば、当時で500人にもなる大組織だ。何かで頭角を現すということは、つまりはこの500人の中で1番になるということに等しい。さらに言えば、この500人は選抜済みの集合体だ。容姿やダンス、トーク、対人能力、ファッションセンス、、、先天的か後天的は問わず、全員がこのグループたる理由をもっている。この中で輝くことは非常に難しい、なぜなら周りも全力で輝こうとしているからだ。
ではどうすれば1番になれるのか。本書でははっきりとこう述べている。

“同じ土俵で戦わない”

とてもシンプルだ。容姿で勝てない、ダンスで勝てない、センスで勝てない、ならその土俵では戦わない。勝算の低い土俵は徹底的に避ける、「一生懸命頑張った」という思い出づくりが目的ではないのだ。では勝ち目の無い土俵から逃げた先にどうすればよいのか。著者は他と比べられることが無い、もしくはライバルの少ない土俵を自らで作った。例えばそれは「ヘタレ」もしくは「いじられキャラ」が著者の作った土俵だ。当然ライバルは少ない、そもそもこの土俵でライバルが多いのならきっとグループ自体が成立していないだろう。

正々堂々と高い競争倍率を勝ち抜き1番になることは尊い。しかし、勝負の前に土俵に上がれる人数自体を減らし1番になる、結果が同じであれば価値も同じであるはずだ。このように著者は日頃から徹底的に自身の競争優位性を考えている。

本書のテーマは“弱者戦略”だ。弱さを受け止め、その上で“どう勝つべきか”が著者の体験を元に語られている。いま置かれている環境の中でもがいている方にはぜひ手に取ってほしい一冊だ。目的を達成するための手段は、必ずしも戦うこと一択が選択肢ではないのだ。