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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】歴史の舞台裏から学ぶ大東亜戦争シリーズ7→敗戦後に洗脳された日本人『日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと』

 8月は大東亜戦争(第二次世界大戦)に関する出来事が多いので、そういった本を個人的に選んでおります。大東亜戦争で日本が敗戦したことは皆さんご存知の通りです。では、敗戦後の日本に連合軍はどのような政策を行っていったのでしょうか。1945年の9/17にGHQ(連合国総司令部)の情報頒布部が「日本人の再教育プラン」を発表し、日本への政策「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(War Guilt Information Program)」、略称「WGIP」がなされて、日本人に戦争犯罪の意識を刷り込む情報宣伝が実施されたのです。これは学校教育を受けた我々の考え方にも影響し、自虐史観や「日本はダメだ」論的な風潮になっていきました。それではどうやって日本人に刷り込まれていったのでしょうか。一種の洗脳方法ともいえます。アメリカや連合国のみなさんは日本の再教育に熱心でした(涙

 戦後の教育改革を主導したのはCIE(民間情報教育局)というGHQの部局です。CIEの主要任務は下記のように書かれています。

【日本人の「内部からの自己崩壊」を目指す「精神的武装解除」にありました。(・・・中略・・・)最も重視されたのが「戦争有罪性(ウォー・ギルト)と戦争責任キャンペーン」です】

 今ではキャンペーンを広めるにはインターネットを通じてSNSなどのメディアがありますが、当時の主要メディアは新聞でした。この戦争責任キャンペーンを広げるために日本全国の新聞が利用されました。本書にはこう書かれています。

満州事変以降の十五年戦争を裁き、「南京虐殺」の犯罪性を強調した『太平洋戦争史』の全国新聞連載キャンペーンから始まりました。すなわち、日本全国の新聞が昭和二十年十二月八日から『太平洋戦争史』を連載するように強要されたのです。】

 日常生活で手に取る新聞を通じて、戦争責任キャンペーンが広げられていったのです。新聞だけではなく映画も利用されます。軍国主義者と一部の政府の人間が侵略戦争を導いたことを匂わせている内容の映画が、わかっているだけで9本製作されました。そして、上映されて3000万人以上もの人が鑑賞したと本書には書かれています。無意識のうちに日本人は「戦争有罪性(ウォー・ギルト)」を刷り込まれていったのです。

 そして、学校教育にも戦争責任キャンペーンは浸透します。戦前の日本を全否定した「新教育方針」が発行されて「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)」が色濃く反映されました。その教育を受けてきたのが我々世代と思うと、頭の中の情報を更新しなくてはならないと思いました。

 確かに日本は戦争をしましたが、以前に述べたようにアジア諸国の解放を目的として、インド、ベトナムカンボジアインドネシア、旧植民地であったアジア諸国は、日本人の払った大きな犠牲によって独立できたのです(※1)。こういった価値観をしっかり覚えなければなりません。

 戦後生まれの方々が大半と思いますが、どういった経緯で我々の教育や自虐史観がなされていったのかがわかる一冊です。

※1 【書評】歴史の舞台裏から学ぶ大東亜戦争シリーズ5→『重光葵 連合軍に最も恐れられた男』
https://bookrev.horiemon.com/entry/2023/08/15/220000

発行  2014/1/29
著者  高橋史朗
出版社 致知出版社