「夢と金」、この関係性はいろいろと意見があると思いますが、西野氏の意見は「お金が尽きると夢が尽きる」ということである。そのお金に対する知識やこれからの考え方をご自身の経験を踏まえて分かりやすく書かれている本です。
まず裕福層の生態系を学ぶ、つまり彼らは何にお金を払うか?を理解することから書かれています。ここから学ぶことは機能を売ってはいけないという点です。特に日本人の考え方に多いのですが、95点を98点にするような機能を求めすぎた製品やサービスを意識しすぎている。そうなるとオーバースペックとなり、お金にならないので、これからは「意味」を売るべきだと主張されています。
では次に機能がお金にならないことを理解した上で、意味を売るには?に進んでいきます。ここでのポイントは「ファンを作ること」である。これにより意味と差別化をもたらすことが可能になる。そのような「ファン創造」の実例としてあえて不便さを残してコミュニケーションを生み出したことを実感したスペインの酒屋、美味しいと言われた餃子に「当たり前でしょ、スーパーで買ったんだから!」という地元居酒屋の例が書かれています。さらに今後NFTや進化したAIによってどのようなことがお金に結びつくか?どういうことが起きるか?をご自身の経験と試行錯誤の取り組みを踏まえながら書かれていますので、NFTを知らない方はこの部分だけでも勉強になると思います。
そして1日でも早く学び、1日でも早く勝て!、結局モチベーションとやりたいことは小さな結果の積み重ねからしか生まれないが、何かを始めるにしても結局お金がないと何もできずに選択肢が狭まってしまう事、20代で生まれた差は一生埋まらない。などの強いメッセージで締めくくられています。クラウドファンディングやNFTにいち早く取り組まれた西野氏の経験とメッセージが惜しげもなく書かれているので、この本を読んで頂けると必ず学びはあると思います。