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【書評】やっぱこれがオレの好きな鬼太郎なのよ。『決定版-ゲゲゲの鬼太郎1-妖怪大戦争・大海獣』

本書は、1965年に『週刊少年マガジン』でメジャー化してからの鬼太郎のお話バージョンである。
メジャー化とは言っても、テレビアニメ第3シリーズ(1985年〜1988年、全108回)以降のイメージしかない方がこの原作を読んだら、違和感バリバリであろうと思う。
まず鬼太郎自体があんな正義感溢れるナイスガイでもないし、よく敵さんの妖怪におかしな生き物に変えられたりもするし、水木しげるの作風がまた、おどろおどろしくも淡々とし、且つ変なユーモアがあって、なんとも珍しいものなのだ。

さて、その原作だが、当初は『墓場の鬼太郎』というタイトルであった。テレビアニメ化に際して、いくらなんでも『墓場』はまずかろうと、テレビ局と相談の上改題された。
アニメ版は、白黒の第1シリーズ(1968年〜1969年、全65回)と、第2シリーズ(1971〜1972年、全45回)の、鬼太郎を野沢雅子が、ねずみ男大塚周夫が声を当てていた頃までは、作風も原作と通じるものがあったのだが、なんだか鬼太郎が良いヤツ過ぎるし、目玉おやじ以外は声優が一新されてしまった第3シリーズ以降は、どうもあんまりしっくりこないなぁというのが個人的な感想だ。
やはり、子供の頃に読み返していた漫画の記憶というのは強烈なものがある。現代と比べれば、なんといっても情報量がケタ違いに少ない頃だ。刷り込み具合が異なるのである。
なんかものすごく強い妖怪との対戦で、武器の一つである髪の毛針を放ち尽くして、鬼太郎がつるっぱげになったり、ビビビのねずみ男が、鬼太郎の絶体絶命の危機を自らの得意分野で救ったりと、部分部分を覚えているエピソードも幾つかある。
しかし、実は上京後に実家の親が勝手に処分してしまい、鬼太郎の漫画を読むことが長年無かった為に、その記憶も遠のいて久しい。
「いつか原作の鬼太郎をちゃんと読み返したいなぁ」
というのが、私にとっては結構な前からの気掛かりであったのである。
そして、先日ふと本屋に立ち寄ってみれば、「はじめて一挙掲載する文庫の決定版、刊行開始!」と、中公文庫から第2巻まで発売されているではないか。
どうやら2023年1月から毎月1冊ずつ刊行中で、全10巻の予定らしい。
流石は、水木しげる 生誕100周年!
これまでにも復刻版の全集が何種類か発刊されていることも知ってはいるが、これはなんとも丁度良いタイミングだ!
ここは10ヶ月かけてちまちま読み進めてみようじゃないか。

ということで、まずは第1巻をゲット。早速読んだ覚えのある話も出てきて嬉しい限りだ。

決定版-ゲゲゲの鬼太郎1-妖怪大戦争・大海獣
作者: 水木しげる
発売日:2023年1月日
メディア:文庫本