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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】未来を変えるヒントは必ず今ここにある。『フューチャーリテラシー Futures Literacy 過去から未来へ,「可能性の未来」を読み解くために』

 

未来を見通す能力を身に付けましょう。本書はその為のガイド本である。
「未来を読み解く」ことを、著者は誰でも学ぶことができる学問と位置付けているのだが、その学びとは、太古にまで遡ってこの世の在り方を大俯瞰的に知り、その知識を以て未来を予測するというものだ。
ということで、いきなり138億年前、この宇宙の始まりであるビッグバンの解説から始まるのである。
水素原子核とヘリウム原子核だけが漂う世界がどう変化していったか。45億6千万年前に、大気も水もない鉄とケイ酸塩を主成分とするドライな岩石惑星「地球」が誕生し、どの様に環境が形成されていったか。
地球に現れた生物の進化の過程は?
といった具合に、ジャンルごとにどんどんと時系列的な解説が披露される。
激しい進化の土台には「共進化」がある。あらゆるものは単体で進化するよりも、他の事象や環境と影響しあって「共進化」することで、変化していく。
その変遷の様を、宇宙、生物、ネットワーク、文化、メディア、集団、社会、言葉と思考などの各々毎に、その始まりから現在まで辿るのが前半。
後半は、それらの知識を踏まえたことによって「最低限の論理」を得たという前提で、「未来を読み解く」ための方法編とサンプルを提示するのである。

100年先の世の中が、本書で描かれている通りになるかどうかは分からない。
しかし、過去を知り、現在の情報や状況を見据えて推測し、最適解を求める。
「知」というものは、考察することそのものの鍛錬無くして向上しないものだということは間違いない。
そのことを意識するきっかけになるだけでも、本書の存在意義は有るであろう。
本書は、こんな方にお薦めだそうだ。
「これからの生活・社会がどうなるかを知りたい方 」
「自分で未来を読み解きたいと思っている人」
もし貴方が合致するならば、一読してみては如何だろうか。

フューチャーリテラシー Futures Literacy 過去から未来へ,「可能性の未来」を読み解くために
作者: 佐藤 もとい
発売日:2022年12月12日
メディア:単行本

フューチャーリテラシー Futures Literacy 過去から未来へ,「可能性の未来」を読み解くために