主人公の二人の女性は、良い商品の魅力を引き出し多くの人々に伝えたいと独立したが、思うような仕事ができずにうんざり。そんな時、ストレス発散に訪れたお気に入りのパンケーキ屋さんがM&Aにより経営権が変わったことを知る。主人公にとってM&Aとは大企業の話し。しかし、実際に目の前で夢を叶え喜んでいるオーナーを目の当たりにし、M&Aに関心を持ち行動に移していく。
本書では、ネットを使ってM&Aを実現していく様子をマンガでわかりやすく伝えている。著者によると、年商1億円未満の企業の8割は後を継ぐ経営者候補がおらず、またバブル時代に最も多かった47歳ぐらいの経営者の世代交代がここ10年ぐらいで一気に行われていくため、起業以外にも事業の引き継ぎが選択肢として加わり、誰もが昔よりも気軽に会社を始めやすくなるという。
評者の友人からも数年前に起業したものの、どのように事業を進めたらいいのかわからず、会社を閉めようと考えていると聞いた瞬間、なぜか無意識に「閉めるのをやめて」と言ってしまった。何も成し遂げてもいなく、そもそも挑戦もしていないのにやめてしまうのは本当にもったいないとしか思えない。評者自身も、何か考えがあるわけではないが、何かをやってみれば糸口が見えてくるのではとも思っている。
起業の際には誰しも何かしらの想いがあり始めたのだろうが、様々な事情により会社を閉じる選択をせざるを得ないのは忍びない。興味のある人が引き継ぎ新たな形で活性化させることができれば、それは世の中のためにもなる。また、事業内容を変えたり、新たな事業とコラボすることにより、より面白いものが生まれるに違いない。