従来の資本主義が限界を迎え、「価値主義」というものに世の中が移ってきていることを非常に分かりやすく解説した本だ。本書が出版されたのは2017年11月。もう4年近く前である。今更読んでいるのが恥ずかしいが、恥を捨てて紹介する。
価値主義でいうところの価値とは、利用価値(役に立つもの。資本主義でも扱われているもの)、内面的価値(愛情、共感、興奮、好意、信頼など)、そして社会的価値(社会全体の持続性を高める活動)の3つだ。そして世の中は、お金の価値が相対的に下がり、内面的価値、あるいは社会的価値の重要性が増している。分かりやすい例で言うと、お金が無くても人望が厚くネットワークがあればクラウドファンディングでお金を集められる。つまり価値は換金可能なのだ。
この話を妻にしたところ、「それでもお金がないとモノは買えないよね」と言われた。まぁたしかに今はそうなのだが、将来は分からない。ベーシックインカムが導入されれば、お金の価値はさらに下がる。個人レベルでも金余りが起こる。その時に向けて準備を始めた方が良さそうだ。いやというよりも、もっと自由に生き始めて良さそうだ。
「なんとなく今の時代、内面的価値とか利他の気持ちが大切というのは分かるけど、なんかしっくりこない…」という人にはオススメだ。私はすごく腹落ちした。「自身の価値を高めていく」という一つの指針は、モヤモヤしていた視界をさっと開いてくれた。
ぜひ同じ体験を皆さんにもしてほしい。