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堀江貴文イノベーション大学校(通称HIU)公式の書評ブログです。様々なHIUメンバーの書評を毎日更新中。

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【書評】この人生を前人未到の物語にしたい『地球のはしからはしまで走って考えたこと』

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あなたはアドベンチャーランナー北田雄夫という男を知っているか?砂漠や雪山など道なき道を200㎞以上、食料を背負って走り、参加費は40万円以上で賞金はなし。これはそんなクレイジーすぎるスポーツ、アドベンチャーレースに命を燃やす男の物語である。

北田雄夫さんは、現在36歳の現役アドベンチャーランナー。サハラ砂漠1000km、南極大陸250km、ピレネー山脈866㎞など世界各地で開催されるアドベンチャーラソンを完走し、日本人初の7大陸走破を成し遂げた男である。

驚くべきことに、7大陸走破を成し遂げた時、彼はプロのランナーではなかった。当時はまだ何者でもなかった彼は、一般社員として働いたり、アルバイトをしたりして大会の参加費を貯めていた。同時に、誰も知らない未知の世界での戦い方を見つけるべく、人体実験と呼ぶ過酷な環境での練習をしてはレースに参加し、また実験をしてレースに参加し、とひとりで挑戦を続けていた。そんな彼の周りにはいつしか人が集まり、現在はクラウドファンディングや会員制のコミュニティのオーナーとして活動資金を集め、プロランナーとしてファンとともに挑戦を続けている。

そんな経緯もあり、彼はみんなと一緒に挑戦することの大切さを強く語っている。私自身もマラソン大会に参加しているためよく分かるのだが、マラソンは本当に孤独なスポーツだ。クレイジーな彼でも、レース中には何度も心が折れそうになり、リタイアが頭をよぎるらしいのだが、応援してくれる人ができてからは、みんなの顔を思い浮かべると元気が出てくる。どこからか力が湧いてくるのだそう。私はそんな凡人ランナーです、と語る彼にふと親近感がわき、彼をこれからも応援していきたいなと思った。

とてつもないことに挑戦し結果を残す一方で、弱いところを惜しみなく見せてくれる。人を惹きつける人とはこういう人なのかもしれない。

 

地球のはしからはしまで走って考えたこと

地球のはしからはしまで走って考えたこと

  • 作者:北田 雄夫
  • 発売日: 2020/10/26
  • メディア: 単行本