本書のタイトルとなっている「GAFA」とはグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンの4つの企業の頭文字をとったものです。これら4つの巨大企業の出自や戦略を分析することは、デジタル化時代のビジネスへの理解に直結すると著者は主張します。本書では、各企業の戦略分析に加え、そこから得られる教訓についても述べられています。
GAFAの共通点の一つとして「膨大なデータとそれを活用するAI」が挙げられています。デジタル化時代にデータは宝の山であり、データへのアクセスと活用をどう設計するか、が肝要であることを学びました。評者は製造業の技術職として日々データを扱う立場ですが、一刻も早くIoT化を進めてデータの有効活用を推進すべきだと改めて実感させられました。
グローバル化したGAFA以降の世界では超優秀な人材のチャンスが増える一方で「凡人」は苦戦を強いられる、と著者は主張します。本書では、「自分をアピールするメディアを持つ」「新しい技術をまず使ってみる」など、凡人の中で抜きん出るために必要な要素についても述べられています。
GAFAの戦略とその脅威に関する考察はデジタル化時代を理解するための最高の教科書になると思います。そして、「便利な生活の裏で私たちは何を手放したのか?」という問いは、読者にデジタル化時代について改めて考えさせる最高の問いだと感じました。情報量の多い本なので、本書評で興味を持たれた方は是非通読してみてください!
デジタル化時代の今とこれからについて深い洞察を得られる一冊です!

- 作者: スコット・ギャロウェイ
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2018/07/27
- メディア: 単行本
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