本書では「責任の移行モデル」という教育方法について例を交えながら説明している。
自転車に乗れない子どもが徐々に補助輪や親の手から離れていくように、生徒の学習にも「先生が教える」「先生と生徒が学ぶ」「生徒同士で学ぶ」「生徒が自分で学ぶ」の4つの段階がある。
4つの段階のどの説明ページにも共通して載っているワードがある。
それは「診断的評価」だ。
学期末に行うテストのような「総括的評価」が、生徒への評価の大半を占めている現代。
だが本当に大切なことは、途中で生徒たちがどの段階にいるかを教師が「診断」し、把握することではないだろうか。
現在の教育は画一的だ。
生徒によって学習の段階が違うのに、いつまで「公平な扱い」のもとで一斉授業を続けるのだろうか。
生徒それぞれが出来ていないところに焦点を当て、それが出来るように段階に合わせた方法で促す。
教師はそのように生徒一人一人にとっての「サポーター」であるべきだ。
教育をするのは教師だけではない。
親だって「教育」をしなければいけない。
会社に勤めていれば、後輩を「教育」しなければいけない。
教育は避けて通れない道なのだ。
だからこそ教育方法について学ぶことは、今の日本にとって意味があることなのだと私は思う。
今後は4つの段階において「どうやって」教育活動をするかがポイントになってくる。
なぜなら、指導書通りの教育はAIでもロボットでも出来るからだ。
そんな時代はすぐにやってくる。
生徒が今どの学習フェーズなのかを観察、診断し、自分ならその段階で「どうやって」教えるかを考える必要がある。
「学びの責任」は誰にあるのか: 「責任の移行モデル」で授業が変わる
- 作者: ダグラスフィッシャー,ナンシーフレイ,Douglas B. Fisher,Nancy E. Frey,吉田新一郎
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 2017/11/17
- メディア: 単行本
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