本書は堀江貴文、西野亮廣という二人のカリスマがこれからの人間の生き方について語る指南書である。ここ5年10年という所謂現代の生き方ではなく、今後100年、1000年でも読み込まれていく聖書となるだろう。
本書では「バカ」という言葉が多様されているが、「バカ」とは人を貶める為の意味あいは無く、単なる記号代わりに使用されている。その証拠として最終章では其々がお互いと自らを「バカ」と評しているからだ。
評者自身、「バカ」と書かれたキャッチーなタイトルに惹かれ手に取り、エキセントリック且つパンチの効いた内容かと身構えるも、至極真っ当。読んでいくに従い「うんうん」「いるいる」「分かる」「ウケる」と頷きつつ、目から鱗をボロボロ落とさずにはいられなかった。
二人のカリスマが今の日本人が鈍くなってしまっている疑問点や違和感を素早くキャッチし、裏側でもなく、上からでもなく、左下斜め18度位からの角度で見た視点は格別。時代の先に立っていた二人。其々が権力に押さえつけられ、立ち位置が変わったことにより得られた視点とも言えよう。その視点を得るまでそれぞれ二人独自の背負いものがあった。だからこそ伝えている言葉は読む人を惹き付けるのかもしれない。
人生の指南書として読むもよし。周囲の人に当てはめるガイドブックとして読むもよし。挿絵のハンプティダンプティが表現している危うさを娯楽と楽しんでもよし。手に取った人がそれぞれのオリジナルの読み方の出来る一冊としてお薦めしたい。
- 作者: 堀江貴文,西野亮廣
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2018/10/26
- メディア: 単行本
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