異形の男が好きだ。昭和のヤクザや愚連隊の実録本は僕の大好物だが、この男はそんなアウトロー達とは一味違う。
かつて、そして今もAV監督として名を馳せている
「村西とおる」
彼の枕詞は「前科7犯、借金50億円」
ハワイでは撮影中にFBIに捕まり、懲役370年を求刑される。
タイでは少年キックボクサーに全裸の女優をまたがらせて外交問題に発展させる。
こんな異形の男は彼ぐらいしかいない。
BVDの白いブリーフパンツ一丁で、業務用のどでかいビデオカメラを担ぎ、映し出されるAV女優に向かって
「ナイスですね」
と甲高い声で語りかける姿は、僕の脳裏に焼き付いて離れない。
女優を脱がせて行く様、言葉での追い詰め方、エロと笑いと哀愁を感じさせる作りは今見ても新しい。
女性と合体中に担ぎ上げる「駅弁」というスタイルは、実は村西とおる監督が世に送り出した49手目の対位だ。
「顔面シャワー」も彼が作り出したスタイル。
今、AVで当たり前にやられているスタイルの多くは彼によって世に送り出されている。
また、彼が売り出した女優は
脇毛の女王、黒木香を筆頭に、沙羅樹、卑弥呼、本番でもメガネを外さない野坂なつみ、Gカップ巨乳の松坂季実子、田中露央沙、そして今は監督の妻、乃木真理子etc….
本当に色々とお世話になりました。
異形の男、村西とおる監督の福島県で育った極貧の少年時代
田舎から東京に出てきて右も左もわからず飛び込んだバーのボーイ時代。
英語教材を売り歩き、ナンバーワンの営業マンとなり1度目の結婚の20代。
インベーダーゲームのブームに乗り、業務用ゲーム機の設置と販売で儲け始めた30歳。
ビニ本・裏本の帝王となり億の金を稼ぐようになる33歳。
わいせつ図画販売で前科一犯から全財産を失い、AV製作を開始する36歳。
その後もずっと波乱万丈。
そして心臓の病で死にかけ、奇跡的に助かり、良きパパとして必死に頑張っている60代。
戦後の昭和史を異形の男「村西とおる」監督と一緒に振り返って見ませんか。
監督の名台詞
「お待たせしました、お待たせし過ぎたかもしれません」
が頭の中をヘビーローテーションする事で間違いなしですよ。
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