1〜2時間で読める位の薄さながら、目から鱗の話ばかり。江戸時代の風俗事情の勉強になるだけでは無く、一般庶民がどういったお給料をもらって生活していたのかとか、江戸の庶民の暮らしが良くわかる一冊となってます。
全ての項目で、一般庶民と遊女の対比で教えてくれます。
例えば、労働時間。一般の商店、大工さんや行商人、屋台の人間はどれくらいかを職業別に詳しく紹介してくれていますが、1日5〜8時間労働と割と軽め。
そして大店、例えば呉服三井越後屋の従業員達の労働時間は15時間と結構過酷です。今、こんなに働かされたらブラック企業と揶揄されそうです。
それに対して遊女は?それは本書でお楽しみ下さい。
こんな感じで、給料の一般庶民との比較や、この当時どれだけの稼ぎがあれば家族を持てたかとか、吉原以外にどんな風俗形態があったのかとか、「えーそうだったんだ!」という話が盛りだくさんです。花魁って結構女の子に憧れられた職業だったってことも分かります。
最後に江戸の男の悲しい川柳を
とりも啼け鐘も鳴れ鳴れふられた夜
せっかく吉原に行ったのに、何にもできず朝を迎えてしまった花魁に振られた男の歌です。
こんな歌が多数残っていますが、吉原の花魁達には客を断る自由もあった事を示してます。
お金だけ払って、何も出来ずに帰る江戸の男達の物悲しさ。
悲し過ぎるやろー!!!
なんか泣けてきた
吉原の真実 知らないことだらけの江戸風俗 (自由社ブックレット10)
- 作者: 秋吉聡子,はすみとしこ
- 出版社/メーカー: 自由社
- 発売日: 2017/08/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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