平たく言えば習慣的な読書がいかに大切かを説いている本だと思っている。特に共感するのは環境についての考え方だ。読書を、ひいては学ぶためには環境が大切なのだ。著者の“知的空間”に対しての拘りはすごい。学生で空間に手が出せない人は、理想的な知的空間を保有している自分を夢として描き続けろとさえ言っている、願えば叶うからと。
著者は自身に合った書斎をいかにして作るかに焦点を当てているが、現代であれば書斎という形には拘らなくても良いだろう、今は所有からシェアの時代だ。知的な活動をしやすい環境を一から作るよりも、知的な環境をシェアする方が余計なコストをかけずに賢い選択だと思う。また、手にする書籍のジャンルや内容によっても最適な環境は異なるはずだ。漫画であれば自宅で、例えば私は小説であればスタバへ、個人的に関心のあるビジネス書はスタバかYahoo!のlodgeへ、仕事上必要な知識を得るための読書は職場で行う。書斎というものをもう少し概念的に捉えて、自分なりの書斎を複数見つけておくと知的生活は作りやすいかもしれない。
本書は読書や学ぶための、姿勢と習慣を知るには良い書籍だと思う。テクニックでハンク、まさに姿勢に対して様々な観点で言及されている。1976年に第一版が発行されてから長い間愛されている書籍だ、読書を続けている方にはぜひ読んでいただきたい一冊だ。
- 作者: 渡部昇一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1976/04/23
- メディア: 新書
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