一体リーダーシップとは何だろうか。ここで混同してしまってはいけないのが、与えられた一部のポストに必要なスキルを指している訳ではないということだ。この混同こそが各企業のリーダーシップ総量を限定してしまっている要因だろう。リーダーシップは特定の人間が活用するスキルではなく、万人に必要な姿勢だと私は本書から読み解く。
本書では大きく4つにその役割を分類しているが、私が特に必要だと思ったことはそのうちの一つ、「意思決定」だ。どの組織(チームと言った方が身近に感じるかもしれない)においても必ず必要になることが「決定すること」だ。あなたはこれを誰に任せているだろうか。してはいけないことはリーダーが決めることだという思い込みだ。これではそのチームのリーダーシップの総量はとても小さくなってしまう。チームの進むべき先はあなたが決めていいのだ。少なくとも、「私がリーダーだったら」という視点であなたの意思を出すべきだ。そして、最も恥ずべき行為は静観だ。静観とはつまりはあなたが居ようが居まいが、チームの着地に何ら影響がないことと同義であり、リーダーシップと真逆の意味を指す。
言葉や行動をアプトプットするということは当然責任が伴う、時には周りに迷惑をかけるかもしれない、思わぬ不平不満の的になることもあるだろう。ただ、だからなんだというのだ。傷つき失望するかもしれないが、あなたがハンドルを握って自分の意思で進む方向を決められる、その価値に比べればどのような暗い道もきっと些細だ。
この機会にこれからの採用基準についてもう少し深く知りたい方はぜひ本書を手に取ってほしい。
- 作者: 伊賀泰代
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/11/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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